神様は気になさらない(KK2)

復讐

神官長は、にこやかにルイを自宅に迎え入れた。


「よくやった。ルイスモール。あの吸血鬼の住んでいた家も、すべて塵になっていたそうだ。君があの吸血鬼を消滅させたことは間違いない」

「でしたら、お約束通り、姉を返してくださいますね?」

「もちろんだとも。だが、その前にひとつだけしてほしいことがある。何、簡単なことだ」


言いながら、神官長は透明な液体の入ったグラスを、ルイに差し出した。
ルイが、グラスを受け取る。


「これは?」

「聖水だよ。なに、普通の人間には、ただの水にすぎない。これを、一息に飲み干してほしい。君が吸血鬼にされていないという証明にね」

「わかりました」


ルイは、グラスを唇にあて、一息に飲み干した。
不快な、苦み。
見つめる神官長の表情が、邪悪に、ゆがむ。
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