神様は気になさらない(KK2)

夜。
教会の扉を閉め、ルイは、月を見上げた。

無事に、近づけただろうか。
チャーリーと。

失敗するわけにはいかない。
教団の威信が、かかっている。

これまで、この街に派遣された神父たちは、ことごとく、この街に棲息する吸血鬼に倒された。
そう、ルイは神官長から伝えられた。

神の名を汚す者を、いつまでも一掃できないのでは、威信にかかわる。
それは教団だけでなく、神そのものの威信もだ。
このまま、吸血鬼を倒せなければ、人々はいずれ神を見限るだろう。
それだけは、避けなければならない。


「だから、やってくれるね?ルイスモール君」


穏やかな口調で。

語る神官長の、射抜くような視線を思い出して、ルイは、かすかに震えた。

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