【短】始まりは2月14日
断る理由なんかないじゃん。あんな可愛くて、優しい子。
「いないよ。いるわけないし。」
いないんだ。
「じゃあ、なんで断るわけ?
理由なんかなくない?」
「‥‥‥」
「ん?なんで?」
突然止まってしまった大輔を見上げる。
「ま−、またな。」
もうあたし達の家の前だった。
あたしの真向いの家に消えていく大輔が、どうして止まったのか、理由はよく分からない。
だけどまぁ、あの大輔にもぃろぃろ悩みがあるのだろうと、その夜ベッドの中で考えた。
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