【短】始まりは2月14日


なんか胸がもやもやする。


5時間目の得意な現国も6時間目の数学も、始終ほぉっとしていた。


咲、大丈夫?


そんな美紗からのメールも返信しなかった。


というより、できなかった。


あたしにそんな余裕なんてなかった。


「たぶん渡すよ。。。」


そういった恵ちゃんの言葉が、頭にやきついて離れない。


どうしてだろう。


なんでこんなに気になるんだろう。


授業に集中しなきゃ。


そう思って黒板を見るものの、次の瞬間にまた、恵ちゃんの言葉を考えていた。


あたしなんで気にしてんだろ。笑っちゃう。だって大輔幼なじみじゃん。


恵ちゃんが大輔に本命あげようと関係ないし。うん。


最後にはそう考えて、大輔の事は頭から追い払った。










その日、あたしは大輔と一緒に帰らなかった。


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