2.14‐先生‐
はっきりと話せないくらい
あたしは泣いていた。
あたしには
誰にも話せない過去がある。
「何かあるのか?」
そう聞いてくる先生
「先生だって
あたしに言えない
何かがあるんでしょ?」
あたしがそう言うと
先生の顔が曇った。
すると先生は
窓の外を眺めながら
ぼそっと言った。
「お互い、何も
知らないままの方が
いいのかもしれないな」
「そうだね」
あたしと先生は
また笑い合った。