2.14‐先生‐


「…明葉は俺にくれると
思ってたのになぁって」


先生はそう言いながら
自分の教科書などを持った。


「なんてな、冗談だよ」


そう言って歩き出した。


あたしは急いで
自分の席に戻り
カバンから先生への
チョコを取り出した。


ハンカチで隠し、
あたしは慌てて
先生を追いかけた。



階段を降りたはずだと
思い、あたしは走った。


すると、やっぱり
先生は職員室へ向かう
渡り廊下を歩いていた。



「さいきせんせ~」


走りながらあたしは呼んだ。



< 9 / 30 >

この作品をシェア

pagetop