2.14‐先生‐
「…明葉は俺にくれると
思ってたのになぁって」
先生はそう言いながら
自分の教科書などを持った。
「なんてな、冗談だよ」
そう言って歩き出した。
あたしは急いで
自分の席に戻り
カバンから先生への
チョコを取り出した。
ハンカチで隠し、
あたしは慌てて
先生を追いかけた。
階段を降りたはずだと
思い、あたしは走った。
すると、やっぱり
先生は職員室へ向かう
渡り廊下を歩いていた。
「さいきせんせ~」
走りながらあたしは呼んだ。