キミはいない。




わたしは絶句した。

瞬きをすることも忘れた。
呼吸をすることさえも。



視界に入った光景が信じられなかった。






「ノックもしないで入ってくるなんて失礼じゃない?」




誰もが瞬きも、呼吸さえも忘れるハズ。


自分の部屋となる場所に、優雅に腰掛ける男の子を見れば。




しかもさっき出会った男の子が、だ。



「な…ななななな、」

「とりあえず深呼吸しようか?」



自分とは正反対の落ち着いた表情に目眩がした。
< 10 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop