キミはいない。
とりあえず深呼吸をした。
動悸が止まらない。
「何でここにいるのって顔だね。」
「も…勿論です…」
緊張のあまり普段使うことのない敬語が飛び出した。
「…聞きたい?」
「ぇ、…いや…その、」
ていうか何で上から目線なんだろう…
本来ここに引っ越して住むことになったのはわたし達である。
やっぱりどう考えてもおかしいのは目の前の男の子だ。
「僕がここに住み着いているから、かな?」
住み着いている…?
彼の言い回しに違和感を感じた。
言葉からして不本意だけどここにいるって感じ。
住み着く、住み着く、住み着く?
住み着いているってことは、家がないってこと…?
もしかして…!!
わたしは一つの結論にたどり着いた。