【脱】男子敵対復讐令!
いつも無断に取って見つかるとユキナは怒りだすのに、今のユキナは何も言わない。
ユキナの視線は板垣にそそがれていた。
「最低」
あ、そういや板垣とユキナって知り合いだったんだっけ。
ユキナは立ちあがって力強く板垣の頬を平手打ちをした。
バチンッ―。
うおぉ、なぜだかあたしのパンチより痛そうに聞こえた。
え、何これ、修羅場?
あたしと梓は身を縮こまらせる。
ユキナは涙目で怒鳴った。
「あんた、そんなことして父親の職に貢献できたと鼻を高くしてるんでしょ?
バカじゃないの?頭を冷やしなさい」
そう言って、彼女は教室を出て行ってしまった。
目をこれでもかと開いて信じられないと固まっている板垣。