【脱】男子敵対復讐令!



昼休みとなった今、机をくっつけてあたしとユキナとあずさは弁当を食べ始めた。


それがいつものこと。


それなのにあたしはもどかしい。


あずさがいじめられていると分かっていて何もできないなんて。

いや、ユキナが言うに、あずさはまだあたしたちに弱音を吐いていない。

あずさは一人で闘えるんだ。

あたしたちはそんなあずさを後ろから支えてあげればいい。

きっとそういう事なんだ。


猪突猛進の単純バカなあたしにはそんな抽象的な事をするのに違和感を感じる。


あずさ、一人で闘っててつらくないの?

あたしはいつだってあずさの味方だよ?


「女子3人で海ですかぁ。いいですねぇ~」

あずさは楽しそうに微笑む。

あたしはあずさの笑顔を見て、ちょっとほっとする。


「ううん。どうせだったら常葉さんも誘おうよ。

あなたたちあまり会ってないでしょ?」


ユキナがお姉さまに見える。

こういうときユキナは気がきくんだ。

ユキナこそが女の師匠であるべきお方ではないのか?

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