【脱】男子敵対復讐令!
―夏休みのアンドーナッツの家は
いつもと違う甘い香りがしていた。
「付き合うって確かに楽しいかもしれない。
たくさん好きな人に触れられるし、より近い存在になれる。
他の女にも私は勝ち組よ!って喋らなくても見せ付けられるしね。
だけど代償だってあるじゃない。」
あたしはユキナが焼いたクッキーをばりばり食べながら語る。
「自分の自由な時間の抑制、
四六時中襲いかかる相手の裏切りの不安、
相手の私への気持ちは薄れていないかと
不安になるに連れて結果を知る事に臆病になる。」
そして、ユキナは重い口を開く。
「あんたって…」
「…?」
「重そう」
「ぐはっ」
強度の一撃を喰う。