【脱】男子敵対復讐令!
壇上に立って演説しているのは威厳ある優等生。
名札の色からして常葉と同じ高3(あたしの一個上)だ。
そいつが話す内容は気難しくて頭の中に入ってこない。
…というか入ってたまるか。
そこはあたしがいるべき場所だ!!!
睨みつけると彼と目が合った。
「どうやら生徒会長もご到着してようで」
男がこちらを見てにやりと笑う。
あたしは彼を睨みつけたまま壇上へと上がった。
そして、男に指を指す。
「お前は何者だ!?」
まるで名探偵のように。
…いや、名探偵は「犯人はお前だ」か。
男は企むように含み笑いをする。
縁無し眼鏡がステージの明かりでキラリと光り、不気味だ。
「失礼。あまりにも生徒会長のご到着が遅かったため
ついスピーチしてしまいました。」
男は軽くお辞儀をする。
あたしはそっけなく「そう」と返した。
声が響かないということはマイクはOFFとなっているという事だ。