鳥かごの中のあたし


あたしは気づいたら涙を流していた…

いつからだろう。

涙を流していないのは…

ずっとずっと泣かなかった。

『強い女』そう思われたかった。
『かわいそうな女』

そんなふうに思われたくなかった

あたしは涙をふく―――

『…ごめんなさい。
あたし…
生まれて初めてそんな事を言われた。なんで泣いてるんだろう。
恥ずかしい…』


佐藤さんはあたしの目を強くみてこういった。

『今日初めて出会ったし
すべて話てみたら?なんて軽々しいこと言わないよ。
ただ寂しかったり
苦しかったり、
もしそうなら俺を頼ってみたらどうかな?』


頼る…

頼るなんてそんなみっともない事あたしにはできない。

あたしにはプライドがある。


たけど
あたしの心とは裏腹に体は正直なのかもしれない。

あたしは声を消すように
崩れ落ちるように泣いた。

寂しいからぢゃない
悲しいからぢゃない


ただ…


嬉しかった。
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