ドキドキパニック
綺麗な黒髪は後ろに流していて瞳も澄んだ黒。
すっごく整った顔立ち。
背何か180はあるんじゃない?っていうぐらいある。
まさに王子様?っていうような印象。
『大丈夫?資料持つよ。貸して?』
「えっ…」
その人はあたしの返事を聞かずすっと簡単にあたしの手から資料をとった。
「ぁっ!でもそれ試作部に『俺、試作部なんだ』
ぁ、そうなんだ。
でも何でこの資料が試作部へのだって分かったんだろ?
『佐伯さんが、君が持ってくるっていうのを教えてくれてね。で、迎え。』
…なるほど。
でも何で?
愛先輩…そんなにあたし頼りないですかね?
ちなみに愛先輩の名字は佐伯。
『ぼーとしてて階段で躓いて資料バラバラにしそうだからよろしくって。』
…失礼な!!
確かに何回か落としそうになったけど!!
『来てみて正解だったね。』
おーい。
この人もちょっと失礼じゃない?
まぁ助けてもらったからいいけどさ。
てゆか、あたしもう試作部に行く必要なくない?
この場の空気に堪えられなくなったあたしは
「あはは。では、ありがとうございました!!」
そう言って回れ右!!
さっさと帰ろ!!
階段を下りようとした。