ドキドキパニック
8時をちょっと過ぎたとき、黒崎課長が走ってあたしの所に来た。


『ごめん。会議が少し長引いてっ…』



「大丈夫ですよ。お疲れ様です。」



あたしは買っていたコーヒーを渡した。


このぐらいは…ね?


黒崎課長は少し驚いた顔した後、



『いや、ありがとう。コーヒー…結構冷めてるね。もしかしてずっとここで待っててくれたの?』



今、季節は冬。
そりゃぁ1時間前に買ったコーヒーが冷めてしまってるのは当たり前で。でも…


「いえ、あたしも少し前に来たばっかりなので。コーヒーは間違えてアイスの方買っちゃって…」



すると突然、黒崎課長の手があたしの頬に触れた。



黒崎課長は笑いながら、


『嘘つき。顔真っ赤だよ。』



黒崎課長はあたしに自然な笑顔を向けていて。


一瞬ドキっとした。



笑顔…可愛い…



じゃなくて!!



『まぁ、じゃぁご飯でも食べに行こう。』


黒崎課長のこの言葉を合図に、あたし達は歩き始めた。





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