ドキドキパニック
あたしは必死で涙が出そうなのを止めて、
「な、何がですか?」
と言った。でも…
『何で泣いてんだよ。美優、こっち向いて?』
顔を見られないように黒崎課長に背中を向けていたあたしは黒崎課長の手によってあっさり黒崎課長の方へ向かされた。
『もう一度言う。何で泣いてるんだ?』
「だって…」
『ん?』
「黒崎、課長…いつもより冷たいんだもん。だ…からっ、あたしが同じ部署で働くの…とかっ…嫌なんだろうなってっ…『ちょ、待て。美優、違うから。』
違う…?
『美優があんまり可愛いこと平気で言うから、抱き締めたいの我慢してんだよ。一応、ここ会社だしと思って。』
へ………?
『はぁ…天然ほど恐ろしいものはないな。』
と黒崎課長は言った。
「あたし天然じゃありませんよ?」
だって、天然な人って何かほわぁ〜としてて可愛くてトンチンカンな事言ってすぐ人の事信じる人のことなんでしょ?(涼ちゃんから聞いたんだから絶対合ってるはず!)