ドキドキパニック
『お前なぁ〜…その顔、反則。』
その瞬間、またキスされた。しかも、今度は深い…。
「んんっ………。」
ちょ、ちょっとー!?
ここ会社だよ?本当にヤバいって!
でも、頭の中でこんなこと考えてもしだいにこのキスのことしか考えられなくなって。
気がついたらあたしは上半身を黒崎課長に預けて支えられてる状況になってた。
キスが終わって。
『男は大抵皆好きな女の前じゃSになるもんなの。』
そうだ!Sだぁ〜!!
そーえば涼ちゃんが『付き合うならやっぱりMよりはまだSよね〜』なんて言ってた。『でもSはそれはそれで面倒くさいわぁ』とも言ってたっけ?
『何、考えてんの?』
「へ!?」
『他の男のこと…?』
まさかぁ…あたし、今まで恋愛経験なんてゼロだし、黒崎課長以外あり得ないのに。
「ち、違いますよ。」
でも涼ちゃんのSな男の人についての議論?を考えてましたなんて言えない。
『へぇ〜、俺に言えないことな訳ね。』
黒崎課長…その笑顔。
何かありそうで怖いです。
『まぁ、いい。詳しくは夜聞く。』
ほら。そういうと、黒崎課長は何かをあたしの手にのせてきた。見てみると、それは、
「鍵…?」
『そ。俺の家の合鍵。今日、なるべく早く帰るから。』
え、それって…
「課長…の家に、行っていいんですか?」
『そりゃ、鍵渡したんだから。家で待ってて、すぐ帰るから。』
「はい!」
どうしよう!嬉しすぎる!
仕事に戻っても、始終ニヤけっぱなしのあたし。
普段こんなことなんてなかったから、皆から好奇の眼差しを向けられた。
でも今は、そんなことどうでもいいもん♪