Clever LoveStory
電車を降りてまた走って、病院に入る。
みのりの病室は3階。エレベーターを待つ時間さえ惜しくて、階段であがる。

こんこん
「失礼します。」

病室を見回しても、みのりはいない。
空っぽのベッドと、広げられた雑誌。雑誌には俺が写っていた。

部屋の入り口で立ちすくんでいると、おばあさんに声を掛けられる。

「みのりちゃんは、さっき発作が起きて緊急治療室へ行ったわ。早く行ってあげて。」
「あ、ありがとうございます!」

お礼の言葉と同時に走り出す。
ナースステーションで慌しく作業している看護婦さんにみのりについて尋ねると今からそこへ行くらしく、後を着いていった。
足早の看護婦さんを、もっと急かしながらみのりがいる場所へと急いだ。

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