Clever LoveStory

君といた時間

みのりがいなくなって数日。
お葬式にも出席し、最後のお別れもした。
涙はなぜか出なかった。悲しいを通り越しているのかな。
メンバーや家族には心配かけないように、無理矢理笑顔を作っていた。

今更気付いた。
みのりのいない世界はこんなにモノクロだったんだ。
窓ガラスに反射する太陽の光も、雲ひとつない空も、全部モノクロ。
みのりがいたから、光があったから、この世界が綺麗に見えていたのに。
俺の中でみのりの存在はとても大きなものになっていて、切なくて苦しくて。
みのりの声が聞こえない。
笑顔が見れない。
触れることなんでできない。
みのりは遠くに逝った。
もう届かない、俺の気持ちも。
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