Clever LoveStory




・・・チャイムが聞こえる。
腕時計に目を落とすと、2時間目が終わったチャイムだった。どうやら寝てたみたいだ。
帰ろうかな、やば、教室にカバン置きっぱなし。
教室に向かって歩き出そうとすると

「石黒くん!」

声に顔を上げると、松下が走ってきた。

「・・なに?」
「ごめんね、さっき。」
「・・・別に。」
「ね、バンド楽しい?」
「・・・」
「もしよかったら見学させてもらいたいなぁ、なんて。」
「・・・」
「やっぱり図々しかったよね、ごめ・・・っ!」

最後まで言い終わらないうちに松下の肩を掴み、壁に押し当てる。
痛かったのか松下は少し顔をゆがませたが、構わず俺はしゃべりだす。
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