Clever LoveStory
忍とのお決まりの場所。
少し高台にある公園。
なにかあると、ふたりでここに来て語ってる気がする。
「佳人さ。奈津が好きなんだろ?」
話を切り出したのは忍だった。
「そういう忍こそ。」
「告るの?」
「や・・・」
「俺は告るよ。」
「え?」
「佳人も奈津も大切。でも、俺は自分の気持ちに正直になる。だからお前もなれよ。」
「忍・・・」
「どっちかが選ばれて、どっちかが選ばれなかったとしても、俺らの友情はそんなんじゃ壊れないだろ?」
「当たり前じゃん。・・・ありがとな。」
「いや・・・俺、明日言うよ。」
「そっか。」
白い息越しに見上げた夜空は、とても澄んでいて綺麗な星がでていた。
綺麗な満月の隣に並んで見える3つの星。
僕たちみたいに励ましあったり支えあったりしているうように見える。
・・・それなら、あの1番キラキラ輝いてるのは忍だな。
自分で勇気を出して奈津に告白する忍。
なんで僕は、勇気がでないんだろう?
しばらく僕たちは、何もしゃべらず空を眺めていた。