Clever LoveStory

「新～？」

休憩になったのも気づかずに机に突っ伏したままの俺にチョップをする登吾。

「ん～？」
「詠二先輩が呼んでる、ほらそこ。」

指差されたほうを見ると、詠二先輩が手をひらひら振りながら教室のドアの外に立っていた。

「先輩と何かあった？」
「や・・」
「俺ならいくらでも話聞くからな。ま、行って来い。飯食うの待ってるから。」
「ありがと。」

詠二先輩の元へ歩いていくと「呼び出してごめんな」と先輩は申し訳なさそうに笑った。
少し移動すると詠二先輩が話し出す。

「新、ちょっと頼みがあるんだけど。」
「どしたんすか？」
「有紗に、探り入れてほしいんだけど・・」
「！　先輩、もしかしてまだ・・」
「ん。・・ははっ、諦め悪いね、俺。」
「わかりました。聞いてみます。」
「悪いな。」