星降る夜
「ハル」は黙り込んだ私の隣に腰を降ろした。
私は急に居心地が悪くなって、腰を上げた。
「どこ行くんだ?」
「保健室」
ハルの問いに短く答えた。
「具合悪いのか?」
「そうでもないけど」
「じゃあここに居ろよ」
有無を言わさぬ言い方だった。
それでも聞かないふりをして歩きだせば、私とハルの関係などあっさりと消えていただろう。
それなのに私は腰を降ろした。
それは私の心のどこかにあった、普通に生きる事を貫こうとしない何かが、この先の未来を予感して期待していたのかもしれない。