星降る夜
平凡を望んだ私が、どこかで警鐘を鳴らす。
この人の傍にはいない方がいい、と。
私は立ち上がろうとした。
「中野さんさ、」
立ち上がるのを阻止したのはハルだった。
私の手が、ハルに握られている。
「人に、興味ないんでしょう?」
ハルは笑っていた。
少し伸びた黒髪が風に揺れていた。
前髪の透き間から見える鋭い瞳が私を見つめていた。
口元から八重歯がのぞいていた。
なにか、すごく楽しいおもちゃでも見つけたようにハルは笑った。
ああ、これだから人を見る目のある人は嫌なんだ。