姫系☆プリンス
「…おか…だ?」
「他に誰に見えますか?」
そう言ってニコって笑ってるんだけど…口元が上がってるだけで目が笑ってない。
怖い。
「ねえ部長、今何してたんですか?」
「……っ」
「黙り込まないでくださいよ」
「……俺の女に何してたのかって聞いてんだよ!」
ドキッ。
俺の…女
こんな時なのになんか凄い嬉しくて照れ臭くて…
それでも黙ったままでいる勇二に岡田は襟元に掴みかかった。
「え、あ…止めてっ…!」
今にでも殴りかかりそうな体がぴたっと止まった。
「でもっ…!」
「ごめんね…ありがとう」
暴力だけはしてほしくないから。
私の為っていうのはすごい嬉しいけど…
大切な人がそういう事をしてるのはあまり見たくないんだ。
「…っ」
岡田は口惜しそうな顔をしながらも勇二を掴む手を離してくれた。