姫系☆プリンス
「ねえ勇二…なんで?勇二はあんなことする人じゃないってことぐらい私知ってるよ?」
教えてよ……
なんでそんな悲しそうな顔するの?
私にとって勇二だって大切な人なんだよ。
「ごめん…俺さ、谷本が好きなんだ」
「ん、さっきも聞いた」
「悔しかったんだ。一年の時から好きだった…谷本に振り向いてもらえるようにずっと頑張ってたんだけどな…」
そう言いながら勇二は少し笑った。
「まさか後輩に取られるなんて思ってもなかった。ずっと好きだったのに悔しかった」
なんで勇二はそんなにも私を好きでいてくれたんだろう。
私なんかより素敵な人なんか沢山いるのに…
「だからって…無理矢理こんなことして悪かった。でも止められなかったんだ」
「勇二…」
こんなにも私を想ってくれてる人がいて…
これはもしかしたら幸せなことなのかもしれない。
「ごめんね……ありがとう」
そう言って私は勇二に微笑みかけた。
「谷本…本当ごめんな…岡田も。」