姫系☆プリンス
「……先輩、部活今日はやめておきますか?」
岡田の気遣うような優しい言葉に私は小さく頷いた。
どうしても行く気になれなかった。
「……分かりました。それじゃあ帰りましょうか」
いつものように校舎を出て私の家に向かう。
2人とも無言だったけど気まずいとかそんなのはなくて…
少し落ち着くことができた。
勇二とあんなふうに喋っていたんだけと本当は今でも悲しくて辛くて……
―――きゅ。
私の手に岡田の手が絡まった。
恋人繋ぎ。
上を見上げると岡田が優しく微笑んでくれる。
その優しい顔を見たら一気に我慢してたものが溢れてきて――…
「………っ…ふえ…おか…だ…」
次から次へと涙が溢れてくる。
頭をよしよしされてから力強く抱きしめられた。
「先輩…ごめんなさい…辛い思いさせて」
岡田は路上なのにも関わらず私が泣き止むまでずっと抱きしめてくれた。