姫系☆プリンス
5*
ガチャ。
「おじゃまします…」
暗い部屋に明かりがつく。
それにしても大きい家。
私の家の三倍近くありそう。
庭に犬でも走り回ってそうな感じだ。
リビングも広くて綺麗に整頓されている。
綺麗ずきなお母さんなのかしら…
「誰もいないので適当に座ってくれていいですよ」
「え、お母さんたちは…?」
「昨日から仕事で一週間ほど帰ってこないらしいです」
そっかあ…
大変なんだなあ
「一人で大丈夫?」
「よくあることなので大丈夫です」
そう笑った顔は少し寂しそうに見えた。
「あ、ご飯作りましょうか?」
「ええっいいの?」
「もちろんです!」
そう言いながら冷蔵庫のほうに行ってしまった。
料理も作れるんだ。
くそうなんか悔しい…
こういうのって普通彼女が作るもんじゃないの?
……〜♪〜♪♪〜
あ、電話。
お母さんからだ!
なんも連絡してなかったんだ…
私は急いで電話に出た。
「はあーい」
『結亜ー?帰り何時ぐらいになるの?』
「えっ…と、まだ分かんない」
『えー?何それー』
電話の向こう側で呑気に笑っているお母さん。
今日も元気だなーとか私までそんなことを考えてしまう。
「あ、ごめん!それと今日ご飯いらない」
『え、また食べてくるのー?』
「うん、本当ごめ…」
「ちょっと貸してください」
「…え、何?」
後ろからなぜか携帯を奪われる。
ニコニコしながら話しだす岡田。
そして……
バタン。
岡田は出ていった。
リビングに一人取り残された私。
あれ?私の携帯だよね?