姫系☆プリンス
「彼氏なら昨日別れた」
‥‥‥‥あ。
聞いちゃまずかったみたい。
「な、なんかごめん」
「全然いいよお。3日付き合ってただけだし」
「3日っ!?」
いくらなんでも短すぎじゃないのかっ
あれ私がおかしいの?もうわけわかんない。
「あたし付き合ってもすぐ別れちゃうんだよね。長く続いて3週間だっけ。1ヶ月続いたことないんだー」
い、一体この子は何回付き合って別れてを繰り返してきたんだろう‥
絶対とんでもない数字が出てくるに違いない。
「本気に人好きになったことないの。だから別れても悲しくなったりとか絶対無いし‥」
咲きちゃんはいつの間にか空になった入れ物を眺めてはあっとため息をついた。
「あたしお兄ちゃん羨ましいんだー」
「え?」
「お兄ちゃんさ、彼女とか作ったことないの」
「う、嘘だ」
あり得ないあり得ない。
女の子になら誰にでも構わず好き好き言ってそうなやつなのに。
「だからねー、この前ゆーちゃん家に連れて来たときびっくりしたの。しかも彼女だって言うからさあ」
うわあやだなにこれ
なんかどきってしちゃったじゃん。
「あーあっあたしもいつかいい人できるよね!?」
「あっ当たり前じゃん!」
まだ若いんだしいい子だし可愛いし。
私がうんっと頷くと咲ちゃんはにっこり笑った。