姫系☆プリンス
翔side
午後8時。
「ただいまー」
真っ暗な部屋。
あいつまだ帰って来てないのか‥
咲が帰って来るのが遅くなることが当たり前になってきてるがあいつはまだ中3。
さすがに少し心配する。
「今日先輩部活来なかったし。」
何かあったんだろうか。
いつもなら休む時は必ず部長に伝えてるはずなのに今日は‥
今日1日会ってもないし話してもない。
たった1日だけでこんな落ち着かないって‥
2日目はどうなってるんだろう。
どんだけ先輩好きなんだよ俺。
ばたんっ
「ただいまあ!」
水を飲もうとコップを取り出していたら咲が帰って来た。
「あーお兄ちゃん、ついでにあたしのもお」
そう言って鼻歌を歌いながらソファーに寝転んだ。
やけに機嫌がいいな。
「あっ、ねえ聞いてよ!今日ね、ゆーちゃんと遊んで来たの!」
ゆーちゃん?‥‥って‥
「先輩?!」
俺の予想以上のびっくりした反応にか咲の表情がさらに自慢気になる。
「いっぱい話して来ちゃった♪楽しかったー」
にやにやしながら俺の顔を楽しそうに見る。
こいつと一緒にいたから先輩今日部活に‥!
待て待て落ち着け俺。
なんとかしてイライラを押さえる。
「お前‥なんか余計なこと先輩喋ってないだろうな」
「あー‥喋っちゃったかも」
‥‥っ‥
なんでこいつこんな正直者なの?
嘘でもなんも喋ってないって言われたほうがまだ楽だった‥
「何を‥」
「さあ?教えるわけないじゃん」
いつからこんな生意気になったんだよ。
「来週も会う約束したし。じゃあ先にお風呂入ってくる」
ばたんっとドアの音を立てて出て行った。
‥‥はあ。
なんか変なことになりませんように。