姫系☆プリンス
「お疲れ様でしたー」
岡田と一言も話さないまま部活が終わってしまった。
ずっと岡田のこと考えてて集中できなかったな‥
ちょっと言い過ぎたかなって今になって思う。
「谷本さん谷本さん」
「………勇二じゃん。なんで急にさん付けするのよ」
「なんか不機嫌そうだったから?」
そう笑って答えた。
昔からよく顔に出るって言われるんだよなあ。
「岡田?」
「えー、と…」
勇二から目を逸らし曖昧に応える。
まあこの時点でばればれだと思うけれど。
「けんか?」
「まあそうかも」
そう応えると勇二はふーん。と不敵ににやりと口角を上げた。
なんなんだよもう
なんか企んでるな‥
そう思っていると急に勇二に手を握られる。
「ちょ‥どうしたの?」
「‥‥‥後ろ向いてみたら?」
勇二に言われて後ろを向くとそこにはすごい顔で此方を睨み付ける岡田が。
「えええええちょっとっ…!」
「はは、めちゃくちゃ嫉妬してる」
「はああ?!最低っ」
勢いよく勇二の手を振り払いもう一度岡田のほうを見る。
岡田は私から視線を逸らすと何事もなかったような顔をして練習しに行った。