一生分の恋を君に−
「手術頑張れよ。
待ってるからな」
「うん。頑張るよ
頑張って20%に入ってみせる」
「優香ならできるよ。……帰ろうか。そろそろ時間だ」
「まだ…居たいな」
「治ったらいくらでも来れるだろ!?」
「うん…そうだね」
帰り道は2人とも言葉を交わすことはなかった
でもその沈黙は嫌なものじゃなくて
なぜか心地よいものだった
「送ってくれてありがとう」
「病室一緒に行かなくていいのか?」
「いいの。することあるから…」
病室に送っていくと言ってもそれを許してはくれなかった
明日の午後には手術だからもっと話たいのにな…
「まだ話たい」
「手術が終わったらたくさん話せるじゃん新輝君なに言ってるの?」
クスクス笑う優香
さっき俺が優香に言った言葉をそのまま返されて笑いが出てきた
「アハハ、それもそうだな」
「じゃぁね。おやすみ」
「あぁ…おやすみ優香、」
最後に優香の唇に軽く触れて病院を出た