【短編】ウラハラ
「美々ちゃんに直で電話するとあやしまれるだろ?
波田野はこの時間昼じゃん」
隣の女子の休憩時間まで把握してるのか、この人は。
溜め息を吐きながら、何か用ですか?と聞いた。
「メール見ただろ?」
始めに戻ったし。
見てないです、と冷たく言う。
「ウソはよくないなぁー。
開封したら通知が来るようにしてるんだよ」
…ストーカーですか!?
言葉につまっていると、
「終礼終わったら喫煙スペースで待っとくから」と告げて返事も聞かずに電話は切れた。
私は唖然としたまま音のしない受話器をしばらく耳に当てていた。