【短編】ウラハラ
2人でいることに変わりはないのに、車の中は居酒屋とは全然違う緊張感がある。
もう、どうにかなりそう。
なんでこんなことになってんの?
私は車に流れる音楽を聴きながら、必死に心臓が正常な動きになるのを待った。
柏木さんはハンドルを握る手でリズムを刻んだりして、特に話しかけてくる気配もない。
静かだと余計に緊張するのに。
何か話してくれないかな。
「土日は何する予定なんですか?」
仕方ないからまた私から質問した。
また、ヒミツ、だったらどうしよう。
少し不安になりながら答えを待つ。