Milky Way
あの女が夜、私の元へと来るようになったのは陸斗が生まれて数ヶ月経った頃。


父が帰宅する前のこと。

1番最初は左頬を一度だけ手のひらで殴られた。


あの女が陸斗を寝かし付けてすぐに私が物を落としてしまったことで、彼を起こしてしまったからだ。


きっと慣れない子育てに疲れていたのだろうと思っていた。



だけど日に日にエスカレートしていく。

プラスチック製の子供用のバッドで繰り返し殴りつけられた日には大声で泣き叫んだ。

まだ小学生だった私にとって苦痛極まりないものだったし、どう対処していいかなんて分からないままだったから。


泣いて暴れることしか出来ない。

誰かに気付いてもらえるように大声で叫ぶしかない。


そしてそれはいつしか諦めに変わった。
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