Milky Way
「もしもあたしが…!あたしが…男だったら琴は好きになってくれたかな?」
「…っ」
真面目なシンの表情。
彼女の問いに唇を噛んだ。
とても酷な質問。
(シンが男だったら…?そんなこと…)
「なーんてね!嘘だよ。困らせちゃったね。」
何も答えなかった私にシンが冗談だと言う風に遮る。
「幸せになるんだよ?ショウゴにいっぱい幸せにしてもらいなね?」
私は小さく頷いた。
「琴…色々ありがとね。あたし、琴に会えて本当に良かったよ。」
再度頭に置かれた手に涙が止まらなかった。
涙で声が詰まって何も言えない。
「じゃあ、あたし行くね。琴、ばいばい。」
そう言い残してシンは屋上から居なくなった。
私はその場に座り込んで声を殺して泣いた。
どうしてこんなに寂しく感じてしまうのだろう。
あの温もりをいまだ感じていたかったって思ってしまうのかな。
(私、どうしちゃったの…?)
私は目を瞑っていてはいけなかったんじゃないのかな。