Milky Way
こころのくさび
あの日を境にシンとは会わなくなった。

メールのやり取りすらとっくに無くなっている。

彼女の心を惑わす訳にはいかない。


心の中で彼女を思い出すことはあってもいつまでも甘えてなどいられない。

私は今の生活に満足しなくちゃいけない。

恵まれた環境にいる。


なのに私…

あの日の彼女の顔が忘れられない。

あの日の彼女の別れの言葉が忘れられない。

シンの温もりが体に焼き付いていて消えないの。


数年前より確実に恵まれているはずなのにどうして心に穴が空いたように感じてしまうのかな。


(人って嫌な生き物だね。とても貪欲。)


『私はシンが居なくても大丈夫なのよ。ショウゴがいる。パパがいる。こんなにも幸せなのよ。』


そう心に語りかけた。

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