Milky Way
「俺さ、ずっと言わなかったことがあるんだけど…」

「え…」

深刻な顔で切り出す彼。


「俺らが付き合いだすほんの少し前。琴達…屋上にいただろ?」

「…っ!」

すぐにピンと来た。

屋上に行けるのは土日。

ショウゴと付き合いだしたのはシンから逃れる為。

思い出させるには十分過ぎる言葉だった。


「バスケの試合、その日だったからさ。俺もお昼を屋上で食べようと思って行ったんだ。…そしたら琴達が居て…」

「見た…の?」

恐る恐る聞く。

「うん…」

ショウゴは静かな声色で答える。

(ショウゴは…全て知っていても尚私に付き合ってくれていたんだ。)

彼に対して愛しい気持ちが込み上がってきたのは事実。

だけど同時にどうしようもない後ろめたさも込み上がってくる。


再び彼が口を開く。


「どうして羽島先輩と付き合わなかった?」


心臓に雷が走ったような気がした。

単刀直入な彼の質問に私は手に汗を握る。

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