Milky Way
「それは…私が女で…シンも…」

答える声が震える。


「それが何な訳?」

私の言葉を遮った彼の声は少し怒気が混じっている。

目からもそれを感じられた。


「そんなん関係なくね?男とか女とか!琴は羽島先輩のこと…好きだったんだろ?」

「…好き…?」

「うん」

手が震える。
何度も何度も自ずと思い浮かんでいたこの質問。
それでも目を瞑って避けてきた。

「そんなの…分かんないよ。」


「琴は…先輩に会いたくならない?どうしても会いたいけど俺がいるからって会うの我慢しようとしてなかった?」


ショウゴの問いは残酷。

(どうしてそんなこと聞くの?…あったよ。…1度や2度じゃない何度もあった。でも…)


「正直に答えて。」


真っ直ぐなシンの視線。
避けることなど叶いはしない。


「あったよ…」

「何度も?」

「…うん」


私が頷くと彼は私の頭を撫で始めた。

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