Milky Way
―Pu Pu Pu

『お掛けになった電話番号は現在使われておりません』


感情のないアナウンス音。

自然と涙が込み上げてくる。


(どうして…シン、いつから…?)


信じられない気持ちが溢れ出る。


(シンは私が嫌いになった…?どうして繋がらないの?…どうして教えてくれなかったの?)


心の中で問いかけてみても誰も答えてなどくれない。


(私…これで終わり…なの?…やだよ。絶対に嫌!)


私は拳を握り締め部屋を飛び出した。

向かうところはただひとつ。

シンの家。

メールアドレスが変わっていても、電話が繋がらなくても、あそこに行けばシンはいるはずだから。

夜道を必死で駆け抜けた。


最初にあった余裕のような感情も一瞬で砕け散って…

取り繕う余裕なんてなくなって、身の振りなんてかまってなどいられなくて…


(会いたい、会いたい…!)


私の心はその一心だったのよ。
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