Milky Way
朝から待って早7時間。

校門のところにいる警備員のおじさんが途中、温かい缶コーヒーをくれた。

人探してると言ったら「頑張ってね。」と優しく声を掛けてくれた。

優しくされると甘えたくなる。

こんな見知らぬ人にさえ『どうにかして』と思ってしまう私の弱い心。

ぐっと堪えて笑顔でお礼を言った。


またシンを待った。

だけど…


「お姉ちゃん、もう大学の授業全部終わっちゃったよ。」

さっきのおじさんがわざわざ教えてくれた。


「そうですか…ありがとうございます。」


瞳いっぱいに溜めた涙を零れないように必死に我慢する。

そんな私におじさんは悲しそうに笑った。



何の収穫も得ないまま私は帰路に着く。

また明日も行こうと思う。

大学は授業の無い日もあるだろうから。

一週間通おうと思うの。

今日はダメでも明日はきっと。

そんな希望はいつまで経っても捨てられなかった。
< 155 / 236 >

この作品をシェア

pagetop