Milky Way
胸が締め付けられる。

痛いよ。

痛くて苦しい。


「…っ、シン…っ」


零れ落ちる涙を隠すように巻いてきたマフラーをそっと頬まで上げた。


(シン、好きよ。男じゃなくてもあなたが好きよ。あの時も好きだったよ。…どうして私、気付けなかったの?どうしてシンの気持ちに目を瞑ってしまったの?)


今さらどうしようもない後悔。

だけど思い出せば、思わずにはいられない。

だってシンは今私の傍にはいてくれないから。

弱い私が遠ざけてしまったから。

ちっぽけな【普通】が私の本当の心を隠してしまったあの頃。



もう分かってた。

この一週間…

いや、4日目辺りには。


シンはここには居ないってこと。


どうして私はこんな生き方しか出来なかったのだろう。

もう間に合わないのかな。

いくら行動してもあなたに届くことはもうないのかな…




願うことはただひとつ。


あの日に戻れるのなら私はもう何もいらない。
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