Milky Way
私はただその場に泣き崩れた。

誰もいないからいいよね?


「シン…会いたい、会いたいよ…」


私以外に誰もいない屋上でその言葉たちは空へと消えて行った。



シン、私ね…

あなたのお陰で私は笑えるようになったんだよ。

本当だよ。

シンに出逢う前の私は『死にたい』こそ思ってはいなかったけれど、『いつ死んでもいいや』とは思っていたの。

心の底から笑える日が来ること望んではいたけれど、期待なんて出来なかった。

地獄のような生活の中で期待することは裏切られることだったから自分の心を殺したの。


だけどね。

あなたの方が沢山の苦しみを知っていたから、私は甘えてられないって思ったのよ。

あなたが笑っていたから、私は生きたいって思ったんだよ。


あなたと出逢った雨の匂い。

忘れられない。

それまで大嫌いだった雨が今では大好きなの。

あなたのせいで大好きなものがいっぱい増えちゃった。

捨てられないものがシンのせいで増えていくじゃない。


それが…とてつもなく愛しいのよ。

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