Milky Way
机の上には卒業アルバムと住所録。

アンナ伝いでシンと中学の同じ先輩が貸してくれた。

今日はもう夜遅いから明日、片っ端から電話してみようと思う。

いきなり知らない人間から電話が来たところで教えてくれる人がいるかすら分からないけれど、そんなことやってみなくちゃ分からない。


拒絶は確かに怖いけれど…シンのことで傷つくなら私は我慢出来る。


一度アルバムを書棚に置く。


(あ…)


ふと幼稚園の卒園アルバムに目が行った。

手に取りベッドにふわりと座る。


(懐かしいな…)


幼い皆の写真。

遠足の写真にはママの姿も。

「ママ…」

そっと指でなぞる。

(ママが今生きていたらどんな風だったのかな。…恋の話も出来たかな。シンのこと…言えたかな。)


こんな私を見てママはどう思うのだろう。

(悲しいかな。)

そう思ったところで心が痛くなった。


ショウゴとアンナにしか言えていない恋心。

まだ後ろめたさがあるんだね。

パパとママを悲しませるんじゃないかって事実思っているもの。

いまだ言えない恋心だけど…これから先もどうなるか分からないけれど。

だけどもう止められない。


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