Milky Way
「こ…と…?」


私を呼ぶ彼女の声。

(っ!!)

胸が締め付けられて苦しい。

だけど嬉しくて堪らない。


それでも涙を流す以外どうすることも出来ないの。


ベンチに座っていた彼女がゆっくりと立ち上がり私の方へと足を進める。

心臓が速く脈打つ。



そして目の前に立って再び私を視線で捕らえる。

私も彼女と瞳を合わせるのに涙でぼやけて良く見えない。


「琴、久しぶり!」


久しぶりに見た彼女の笑顔と明るい声。

私はただ頷く。


「もう泣かないのー!」


私の姿を見て笑いながら怒る彼女も変わらない。

(涙なんか止まらないよ…)


「…っ、シ…ン」

「っ!」


私がそっと名前を呼ぶと目の前の彼女は驚いたような表情になった後に瞳に涙を溜めていた。
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