Milky Way
「琴、あたし今日帰るね…」


ふと耳に入ってくるシンの言葉。

心が軋む。


「…帰らなくちゃ駄目…なの?」


(やばい…泣きそう。)

涙を堪える。


「うん…だけど今度は琴がおいでよ。」

「え…」

「アパート狭いけど一人だから気兼ねしないで来て?」


彼女は今実家を出て一人暮らしをしているって昨日教えてくれた。

今行っている大学は実家から遠いのだそう。


「うん!行きたい。」

「うん。待ってるよ。」

「パパに言ってみるね!そしたら連絡するから!」

「分かった!」


またすぐ会える。

もうあんなにも寂しい思いをすることはない。

大好きな人と一緒にいると自然と笑みが零れるね。

目に映るすべてが綺麗なんだね。

シンに恋をして初めて私は世界の色を知ったよ。
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