Milky Way
「…うん。」

私は小さく頷いた。


「だってあたししか聞いてないよ。」


シンは私の答えを知っている。

私にわざと言わせようとしてるの。

こんな意地悪なシン、知らない。

だけど…そんな彼女も好き。


「シンだから…恥ずかしいの…」


想定通りの私の声にシンはしてやったりの笑顔。

それが悔しいけれど、嬉しい。

彼女は私のおでこにひとつだけ唇を落とす。


「じゃあ、こうすれば大丈夫でしょ?」


シンは視線を合わせてそう言うと私の唇を彼女のそれで塞いだ。

そして再び私の胸を揉む手の感触。

突起も弄られた。


「ん…ッ、ンっ…」


口を塞がれた私は声にならない声を上げてシンを感じる。

声が上手く出せない分、胸に神経が行ってしまって余計に感じた。


そして手が離れると同時に唇も離れた。


シンの瞳が私を真っ直ぐ捉える。

何も話さない彼女。


「こっち…見ないで。」

「どうして…?」

「恥ずかしくて…死んじゃう。心臓が…壊れちゃうよ。」


本当に言葉の通りなの。

おかしいの私の心臓。

こんな風に大きく鳴り続けたことなんてきっと今までに1度だってない。
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