Milky Way
「ダメじゃない…ダメなんかじゃ、ないよ…っ。」


シンの苦しみが伝わってきて苦しい。

シンはいつだって自分の苦しい気持ちを言葉にしないで悩んでばかりいたよね。

この恋はもうあなたひとりのものじゃないよ。

私は私の意志であなたを愛してるの。

だからひとりで苦しまないでね。

この命尽きるまであなたの傍にいるから、どうかたったひとりで苦しまないで。


「うん…ありがとう。」


私の耳に囁くように優しいシンの擦れた声が届いた。

私は返事をするように彼女を抱き締める腕に力を込める。

すると彼女は更に力を込めて抱き締め返してくれたから、また涙が零れ落ちたの。

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