Milky Way

目の前の女の顔が笑っているように見えた。

（見られた！…いや、いや、いや、いや）

体がわなわなと震えだす。


「いやぁぁぁぁぁぁっ！！！」


私は彼女の隙を見てその場から逃げ出した。

何も持たずに全力で家を飛び出し行き先も分からぬままどこかへと走った。


（どうして…どうして私なの？どうして私がこんな目に遭わなくちゃならないのよ！）


思考がいつもの真逆を行く。

きっとこれが本心なんだと後で思ったけど、これは今の家で生活していく限り出してはいけない部分だからいつもは無意識に消していたんだ。


けれど、この時はどうしても出来なくて止まることを知らない涙を流しながら雨の中を走り抜けたの。