Milky Way
辿り着いたのは家から少し離れた海沿いの公園。

目の前は夜の海。

街灯なんて1つしかないような薄暗い場所だから人なんて一人もいなかった。


雨宿り出来るようなところなんて木の下でしかない。

偶然木の近くにあったベンチに座って膝を抱えながら泣き続けた。

どう考えても安全では無いけれど、きっとあの家よりはマシだから。



(私が生きてることはあの人にとってあんなにも苦痛なことなのかな。私が死んじゃえば皆が幸せになれるのかな。パパもそう思ってる…?)



「琴は強いはずなんだけどな…ママに会いたいよ。」


そっと夜空を見上げたけれど星なんてひとつも見えなかった。


それどころか雨が私の頬を濡らして、グチャグチャにした。


雨の音と海の音。

うるさいくらいに私の中に響いてた。

どうかこのまま私を消してくださいと思わずにはいられない程に。
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